図解で学ぶ電気の基礎-電気の性質とその利用-

一般受講料: 22,000 円

特別受講料: 19,800 円

講座コード:E10

受講期間:3ヶ月

難易度:初級レベル

電気とは何か――先輩から後輩へ長く受け継がれてきた必携の書で学ぶ

「電気の性質、そしてその性質を利用すると、どのようなことに応用され役立つか」を知ることが、私たちが電気を学ぶ目的といえます。

つまり「電気とは何か」を考え、その応用には何があるのか、さらにどのような製品に利用され、人類の暮らしに役立っているのかを考えていくことが、電気を学ぶ最終目的といえるでしょう。

本講座は、この過程を入門的に解説し、電気学のスタートラインに立って学んでいこうとするものです。電気の発見・利用の歴史やオームの法則などの基礎から、最近の電気応用機器の仕組みやその理論まで、体系的に学ぶことができます。

本テキストは、高度経済成長期を支えてきた先輩たちから後輩へ、長く受け継がれてきた電気の入門書がベースとなっています。

長く若手エンジニアに愛され続けてきた教材を、最新技術を盛り込んで、新たにリニューアルしました。ぜひ次世代を担う若い人たちに受け継いでいただきたい講座です。

学習目標

  • 電気の発見・利用の歴史から、研究・最新技術までを、系統的に学ぶことができます。
  • イラスト・図で視覚的に見て、内容の要点がわかるよう工夫されています。
  • 電気の知識を再整理したい方にも適しています。

教材構成

使用教材

  • テキスト1冊
  • レポート回数:3回

カリキュラム

No. 主な項目
1 1章 電流とは

  1. 電気の発見
    1. 電気の発見
    2. 電気の正体とは
  2. 電気はものに荷われている―電荷―
    1. 電荷とは
    2. 電荷の大きさ
  3. 電荷のおおもと―電子―
    1. 物質のおおもと(原子と分子)
    2. 帯電のしやすさ
  4. 電子のはたらき
    1. 電子の性質
    2. 自由電子
      • ひと休み「生活の中の静電気」
  5. 電流の流れ方
    1. 直流と交流
    2. 直流と交流のメリット・デメリット
    3. 直流と交流の流れ方
  6. 交流の種類
    1. 商用周波数
    2. 可聴周波数
    3. 無線周波数
  7. 電流が流れるためには―電源の必要性
    1. 水位差と電位差・電圧
    2. 水流と電流
    3. ポンプと起電力
  8. 電源―電池―
    1. 電池が電気を生み出すわけ
      • ひと休み「一次電池と二次電池の使い分け」
    2. 乾電池の種類
    3. 電池を2個・3個とつなぐとき
      • ひと休み「フランクリンも凧揚げで電気を見つけた!」
  • 1章のまとめ

2章 電流の通り路とその性質

  1. 電気の流れる路の性質
  2. 電流の流れ方―直列―
  3. 電流の流れ方―並列―
  4. オームの法則
  5. オームの法則の活用
    1. 数式の変形
    2. オームの法則の応用例
  6. 抵抗値と温度の関係
  7. キルヒホッフの法則
  8. 電気抵抗の性質をどのように利用するか
    1. 抵抗器の分類
    2. 抵抗器のつなぎ方(直列)
    3. 抵抗器のつなぎ方(並列)
    4. 抵抗器のつなぎ方(直列と並列の組合せ)
  9. 電圧計と電流計の使い方
    1. 電圧計
    2. 電流計
    3. テスタ(回路試験機)
      • ひと休み「交流コンセントの極性」
  • 2章のまとめ
2 3章 電流の熱作用と電力

  1. 電気エネルギー
  2. 電流の熱作用
    1. 熱作用の利用
    2. 熱作用を避ける
    3. 熱作用への安全対策
  3. 電力
    • ひと休み「人間は何ワット?」
  4. 電力量
    • ひと休み「パワーとエネルギーの違い」
  5. 交流電力
    1. 交流の表し方
    2. 交流の大きさ
  6. おもな電力源と新エネルギー・自然エネルギー
    1. 太陽光発電
    2. 風力発電
    3. 燃料電池
    4. 地熱発電
    5. 二次電池
      • ひと休み「ビリッとくるのは?」
  • 3章のまとめ

4章 電流と磁気

  1. 磁石
    1. 磁石の発見
    2. 磁化
    3. 磁界
    4. 磁力線―雰囲気の正体―
    5. 磁束―雰囲気の計算法―
  2. 電気と磁気の関係
  3. 電流による磁界
    1. 方向
    2. 強さ
    3. 磁気回路
  4. 磁界中の導線にはたらく力―電磁力―
    1. 電磁力を受ける方向と大きさ
    2. 導線と導線の作用
    3. 磁界の中にコイルがあるとき
    4. 電磁力の利用
  5. 磁気が電流をつくる―電磁誘導―
    1. 電磁誘導を確かめる
    2. 電磁誘導を発生させる方法
      • ひと休み「FBIとIBM」
  6. テープレコーダと磁気・電気の相互関係
    1. テープレコーダ
    2. ハードディスクドライブ(HDD)
    3. マイクロホン
    4. スピーカ
  7. 誘導起電力の方向と大きさ
    1. 方向
    2. 大きさ
  8. コイルの中の電流
    1. 自己誘導
    2. 自己インダクタンス
      • ひと休み「スイッチを切っても”ビリッ”とくるぞ」
    3. 誘導リアクタンス
    4. 位相
    5. 相互誘導作用
    6. 変圧器
    7. 鉄心のいろいろ―成層鉄心―
    8. 磁気のエネルギー
      • ひと休み「電気と磁気の密接な関係」
  • 4章のまとめ

5章 静電気とコンデンサ

  1. 電荷がたまること―静電誘導―
  2. 電荷をためること―静電容量―
    1. 電荷をためる実験
    2. 静電容量
      • ひと休み「ファラドの大きさ」
  3. コンデンサ
    1. コンデンサに流れる電流
    2. 電流の流れやすさ
    3. 種類
    4. コンデンサのつなぎ方
      • ひと休み「半導体メモリは小さなコンデンサの集まり」
  • 5章のまとめ
3 6章 半導体とその応用

  1. 半導体を学ぶ基礎知識
    1. 半導体とは
    2. 半導体研究の歴史
  2. 半導体発展の流れ
    1. 半導体への機能付与のつながり
    2. 不純物のドーピング
  3. ダイオードとそのはたらき
    1. ダイオードの構成
    2. ダイオードの電気的な性質
  4. ダイオードの種類
  5. 各種ダイオードの原理・特徴
    1. ショットキーダイオード(整流用)
    2. ツェナーダイオード(定電圧制御用)
    3. ホトダイオード(光感応ダイオード)
    4. 太陽電池
    5. 発光ダイオード(LED)
    6. レーザダイオード(LD)
  6. トランジスタ
    1. トランジスタの起源と点接触形トランジスタ
    2. npn形トランジスタとpnp形トランジスタ
      • ひと休み「トランジスタの図記号」
  7. トランジスタの種類
    1. バイポーラ形とユニポーラ形
    2. トランジスタの回路記号
    3. トランジスタの形式番号表示と形状
  8. トランジスタを用いるときの回路
    1. 接地状態
    2. バイアス
  9. トランジスタのもつ性質とはたらき
    1. 増幅機能
    2. 開閉機能
    3. 基準電圧発生機能
    4. 感温機能
  10. トランジスタを利用した重要なデバイスとその仕組み
    1. オペアンプ
    2. スイッチング電源
    3. リセット機構
    4. 省エネ回路とパワーマネジメント
  11. パワーエレクトロニクスと半導体
    1. パワーエレクトロニクス
    2. パワー半導体による電力の変換
    3. 交流の位相制御出力……トライアック
    4. インバータ用素子IGBTとPWM
    5. 直流から交流をつくる基本的な仕組み
    6. PWMでニーズに合う交流波形をつくる
      • ひと休み「トランジスタの前にあった真空管の時代」
  • 6章のまとめ

7章 電磁波とその応用

  1. 電磁波の予備知識
    1. 電磁波とは
    2. 電磁波の形
    3. 電磁波の電界・磁界
    4. 電磁波の種類と利用状況
  2. 電磁波の発見から初期の通信実験まで
    • ひと休み「火花放電式無線通信と電波を用いた無線通信」
  3. 通信と電波
    1. 電波の種類
    2. 電波の伝わり方
  4. 電波の送信と受信
  5. 電波の送信関連技術
    1. 各種信号(音声と映像)の電気変換
    2. 信号化の仕組み
    3. 搬送波をつくり出す発振機
  6. 信号の変調
    1. アナログ変調方式(AMとFM)
    2. デジタル信号の変調方式
  7. 受信した電波の復調・信号変換・視聴
    1. アナログ変調波の復調の仕組み
    2. デジタル変調波の復調の仕組み
    3. デジタル信号からの情報の再生
    4. デジタル-アナログ(D-A)変換器
      • ひと休み「電気信号の標本化・量子化・符号化の関係」
  8. 電波や光を利用した機器・システム
    1. 高周波誘電加熱とその仕組み
    2. ICタグ、RFID
    3. 光ファイバ通信
    4. リモートセンシング
    5. 電波時計
    6. ワンセグテレビの仕組み
      • ひと休み「デジタルデータの圧縮方法」
  • 7章のまとめ

8章 回路図と電気回路

  1. 電気回路とは
    1. 電気回路の構成
    2. 電気回路の分類
  2. 電気回路の図記号と回路の表記方法
    1. 電気用図記号の規格
    2. よく使われる電気用図記号
    3. 身近な電気機器の電気回路
    4. ブロック図
  3. 直流と交流の電源に対する電気回路素子の特性
    1. R、L、Cの直流と交流の電圧に対する応答
    2. 交流におけるR、L、Cのインピーダンスと電流
    3. 複合回路の交流インピーダンスの例
  4. 電子回路―アナログ回路とデジタル回路―
    1. アナログ信号とデジタル信号
    2. アナログ信号とデジタル信号の予備知識
  5. 通信関係で用いられる信号処理回路
  6. 情報・通信で用いられる機能性回路の動作
    1. アナログ-デジタル(A-D)変換回路
    2. 共振回路
    3. 増幅回路
    4. デジタル-アナログ(D-A)変換回路
    5. フィルタ回路(LPF)
    6. メモリ回路
    7. メモリ回路のアドレス
    8. 電気-光(E-O)変換回路と光-電気(O-E)変換回路
    9. DC-DCコンバータ回路
      • ひと休み「通信関連のいろいろな保護回路」
      • ひと休み「ノート型パソコンAC電源アダプタの回路」
      • ひと休み「マイクミキシング」
  7. 電気エネルギー(電力)を運ぶ回路
    1. 送電線の回路
    2. 発電設備などが連繁する回路
    3. 家庭までの配電線の回路
  • 8章のまとめ