食品の安全対策講座~食品安全基本法対応~

一般受講料:17,600円

特別受講料:15,400円

講座コードB24

受講期間2ヶ月

難易度初級レベル

【目標】 食品の安全性を追求し、企業の信頼を高める対策の具体的方法をマスターする!

食品の安全性を向上させるには、どのようにすればよいか?

2003年6月に食品安全基本法が施行されました。基本法制定の背景には、BSE(狂牛病)や遺伝子組換え農産物の農薬汚染など、日本人の食生活を取り巻く環境が悪化し、消費者の不安が年々大きくなり始めているということがあります。

これまで、日本には食品に関する基本法はなく、食品衛生法などの個別の法により、加工食品などが規制されてきました。今回、基本法が制定されたことにより、食品を取り扱っている企業は、より一層の安全対策が望まれるようになりました。

この講座では、具体的に食品の安全対策を高めるためにはどうすればよいか、企業全体で取り組むにはどうすればよいかを学習し、受講者が勤務される企業にあった最適な食品安全対策を構築していく力を身につけることをねらいとします。

学習目標

  • 食品の安全性の向上とはどのようにすればよいのかを図表やチャートで分かりやすく解説します。
  • 実際に使用できる手順書や帳票などにて解説します。

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教材構成

使用教材

  • テキスト1冊
  • レポート(提出回数2回)

著者

  • 山川 茂宏(経営創研(株) パートナー)
  • 大寺 規夫(経営創研(株) パートナー)

カリキュラム

No. 主な項目
1 序 章 現代社会の食品の安全性とは

  1. 安全はすべてに優先する
    • 「食品の安全」は人間の根本的な欲求です!
  2. 自らも消費者の一員
    • 安全性はオープンに!
    1. 不祥事を起こさないためには
    2. 消費者はおいしさと安全を求める
  3. 安全と信頼は人が作る
    • 安全や信頼はシステムが作るものではない!
  4. 食品の安全の基本を学ぶ
    • 「食品の安全」をキーワードに、問題とその解決法を学びましょう!

第1章 食品添加物について

  1. 食品添加物にはどのようなものがあるか
    • あなたの身近にある食品添加物について,見直してみましょう!
    1. 食品添加物の定義
    2. 認定のされ方による分類
    3. 定義による分類
  2. 食品添加物をめぐる動き
    • 時代の変化により,食品添加物に対する考え方も変わってきました!
    1. 合成添加物と天然添加物
    2. 食品添加物として認可されているものは国ごとに異なる
    3. 日本の食品添加物は増加する見込みだが
  3. 食品添加物と企業の取り組み
    • 企業はどのように食品添加物に対して取り組むべきでしょうか?
    1. 情報のアンテナを張る
    2. 食品添加物をできるだけ使用しない組成・プロセスを考える

第2章 遺伝子組換え農産物の問題

  1. 遺伝子組換え農産物とは
    • 遺伝子組換え農産物のメリットとマイナスイメージを把握しよう!
    1. 遺伝子組換え農産物のメリット
    2. 遺伝子組換え農産物のマイナスイメージ
  2. 遺伝子組換え農産物の表示
    • 遺伝子組換え農産物の表示は「JAS法」で定められている!
    1. 遺伝子組換え農産物に関する品質表示基準
    2. 表示義務の対象
    3. 表示基準のルールのポイント
    4. 表示不要な加工商品
    5. 表示禁止事項
    6. 遺伝子組換え表示の例
  3. 遺伝子組換え農産物と企業の取り組み
    • 企業はどのように遺伝子組換え農産物を取り扱うべきでしょうか?

第3章 農薬と残留問題

  1. 農薬の一般知識
    • 農薬は「農薬取締法」によって定義されている!
  2. 禁止されている農薬
    • 有機塩素系農薬を中心に、販売・使用が禁止されている農薬がある!
  3. 農薬の使用基準
    • 正しい農薬の使い方を学びましょう!
  4. 残留農薬基準について
    • 農薬の適正使用は、残留農薬の検査結果によって決定される!
  5. 残留農薬に対する法規制
    • 農薬に関する法規制は、大きな転換期を迎えている!
    1. 農薬取締法の改正
    2. ポジティブリスト制度
  6. 農薬・農産物に対する企業の取り組み
    • 農薬について、正しい知識を持つことが基本です!

第4章 食品のアレルギーについて

  1. 食物アレルギーとは
    • 「食物アレルギー」と聞いて何を想像されますか?
  2. 食物アレルギーは何を食べるとなるの
    • 代表的な食物アレルギー原因食品は、鶏卵、牛乳、小麦です!
  3. アレルゲンについて
    • 卵、牛乳をアレルゲンとするのは乳幼児!
  4. アレルゲンに指定されている品目
    • 「特定原材料」を含む加工食品は、その旨を記載しなければならないI
  5. アレルギー物質の表示
    • 食品中の特定原材料等の表示に注目してみましょう!
    1. 実際の食品での表示例
    2. 可能性表示の禁止
    3. 特定原材料等を複合した食品の表示方法
    4. 高価な準特定原材料が含まれる加工食品の表示方法
    5. 食品添加物における特定原材料等の表示
    6. ごく微量の特定原材料が含まれる場合
    7. コンタミネーション
  6. 子を思う親の気持ちを考える
    • 食物アレルギーは身近な例で考えよう!

第5章 食品衛生(食中毒の予防と対策)

  1. 食品衛生はすべての基本
    • 食中毒の予防は、いつの時代にも変わらない重要なテーマです!
  2. 食品衛生を高めるのは従業員
    • 従業員一人ひとりの問題意識を高める必要があります!
  3. 食中毒の原因菌を管理する
    • 食中毒の原因菌の種類と特徴を学習しましょう!
    1. 腸炎ピブリオ
    2. ルモネラ属菌
    3. カンピロパクター
    4. 黄色ブドウ球菌
    5. ウェルシュ菌
    6. 病原性大腸菌
  4. 食品衛生の眼を養う
    • 基本をしっかりとおさえて「食中毒予防の3原則」を実行しましょう!
    1. 食中毒予防の3原則
    2. 一般的衛生管理チェックリストによる3原則の実行
2 第6章 食品関連の法律を学ぶ(食品安全基本法、その他関連法)

  1. 食品関連の法律にはどのようなものがあるか
    • 食品衛生法やJAS法、食品安全基本法などの関係を学びましょう!
  2. 食品安全基本法が制定された意味
    • 日本の食品安全の「理念」が決まった!
    1. 食品安全基本法の3つの基本概念
    2. 「食品安全委員会」によるリスク評価
    3. リスク管理
    4. リスクコミュニケーション
    5. 関係者の責務・役割
  3. 食品関連8法案の概要
    • 「食品関連8法案」にはどのような特徴があるでしょうか?
  4. 食品衛生法の体系
    • 「食品衛生法」にはどのような特徴があるでしょうか?
  5. JAS制度について
    • 「JAS制度」は、JAS規格制度と品質表示基準制度が2つの柱です!
    1. JAS制度とは
    2. 改正農林物資規格
    3. 特定JAS規格
    4. 有機農産物のJAS規格
    5. 生産情報公表JAS規格
  6. 適正な食品の表示
    • 食品の表示には、食品衛生法の決まりとJAS法の決まりがある!
    1. 食品衛生法とJAS法が表示を義務化している内容の比較
    2. 生鮮食品の表示例
    3. 表示が不要の場合
    4. 表示が必要な場合
    5. 食品の栄養成分表示基準

第7章 包装・容器の問題

  1. 環境問題はすべての企業に関係する問題
    • 食品産業では、どのような環境問題への取り組みが必要でしょうか?
    1. 環境問題は経営戦略の重要な一要素
    2. 食品産業における環境問題への取り組み
    3. 容器包装リサイクル法について
  2. 容器の材質の表示
    • 容器の材質は、識別表示によって見当を付ける!
  3. LCA手法の実践
    • 包装容器のLCAについて、500ml容器を例に考えてみましょう!
  4. 資材の管理、段ボールにも注意を払う
    • 段ボール(包装容器)も大切な食品製造の原材料です!
    1. 段ボールについて考える
    2. 包装容器も工場に入るものと考える

第8章 食品の品質管理

  1. 食品の品質を管理するのは人の五感
    • 人間の五感が一番の品質管理です!
  2. 品質に満足はなし
    • 「これでよい」が一番危険!
  3. HACCPとはどのようなものか
    • HACCPでは、考えられるリスクをすべて明確にする!
  4. HACCPの仕組みを理解する
    • HACCPでは、安全な商品を仕組みでつくる!
  5. HACCPの導入の手順
    • HACCPの手順と原則を理解しましょう!
    1. 手順 HACCP推進チームの結成
    2. 手順 製品特徴の記述
    3. 手順 製品の使用方法の記述
    4. 手順 製造工程一覧図、施設の図面および標準作業手順の作成
    5. 手順 現場確認
    6. 手順 【原則1】危害分析(HA)
    7. 手順 【原則2】重要管理点(CCP)の設定
    8. 手順 【原則3】管理基準(CL)の設定
    9. 手順 【原則4】モニタリング方法の設定
    10. 手順 【原則5】改善措置の設定
    11. 手順 【原則6】検証方法の設定
    12. 手順 【原則7】記録の維持管理
  6. ISO9000について
    • 日本で最も企業に浸透している品質管理の仕組みです!
    1. ISO9000とはどのようなものか?
    2. HACCPとISO9000の関係
    3. ISO9000のクレームマネジメント体制
    4. ISO9000の教育管理体制

第9章 トレーサビリティ

  1. BSEの拡大した理由を考える
    • 企業の価値は、どこまで「管理」しているかで決まる!
  2. 現在の加工食品の問題点
    • 問題点を知ることから改善は始まる!
  3. トレーサビリティーを導入することとは
    • トレーサビリティーには、他社との協力が欠かせない!
  4. トレーサピリティーを実施する
    • トレーサビリティー・システムはどのように構築していくのでしょうか?
    1. 原材料の商品仕様書を収集する(手順1)
    2. 商品仕様書を最下層まで追及する(手順2)
    3. 製造工程の管理と記録(手順3)

第10章 企業間で協調して取り組む

  1. 食品安全のSCMの機築をめざして
    • 安全な食品の供給のためには、SCMが必要となる!
  2. トレーサビリティー・システムにおける企業間の協調
    • 安全は、一企業で追求できる時代ではない!
  3. 価値連鎖の価値を「安全・安心」に履く
    • 食品では、何よりも「安全・安心」が優先される!
  4. QCDを企業間協調で追求する
    • 企業はQ(高品質)、C(低価格)、D(短納期)を求められていろ!

別 表

  1. 代替表記について
  2. ポジティブリスト制度について
  3. ノロウイルスについて
  4. ISO22000について